撮影の基本編Vol2
■シリーズ2 『撮影の巻』
【基本編】①ビデオカメラのご紹介 Vol2
~眠っている昔のビデオカメラから、最新のビデオカメラ&面白カメラまで~Ⅱ
(3)SONY デジタルハイビジョン・ハンディカム HDR-HC3
いよいよ世の中に「ハイビジョン」という言葉が
一般的になってきた2006年。買い換えたビデオカメラです
●ハイビジョン方式はテレビのBS放送などの
ハイビジョン番組を作るための業務用ビデオカメラ
にしか採用されていませんでしたが
この頃から家庭用ビデオカメラにもハイビジョン撮影が
できる機種がどんどん投入されてきて
このモデルは「世界最小・最軽量」をうたう、
手のひらサイズのハイビジョンムービーカメラとして、
脚光を浴びていました。
【主な仕様】
- 1/3型CMOSセンサー
- 総画素数210万画素(有効画素数は動画時143万画素)
- 2.7型液晶モニター
- カールツアイスレンズ
- 光学10倍ズーム
- 連続記録時間:NP-FP90(最も大きなバッテリー)使用時、約2時間
- 重量:約500g
記録メディアは、先のDV方式のデジタルハンディカムと同じ「miniDVテープ」です。
●ハイビジョン映像とは言え、記録メディアは今までのminiDVでOK。ただし
スタンダードなDV方式の録画に比べて、コマ落ちする確率が高いので、
ハイビジョン撮影用のテープが発売されました。
コマ落ちの原因はテープの巻き取りの緩みが原因していることが多いようです。
モーターの回転によって巻き取られていくテープの最初の方は、巻き取りが甘いので
新しいテープをセットしてすぐに録画を開始せずに、数分間、空録画すると良いようです。
ハイビジョン録画用のテープは、その空録画の時間分をプラスした長さになっているので
「60分」ではなく「63分」、または「80分」ではなく「83分」なんですね。
DV方式と同じminiDVテープを使いますが、記録方式は「HDV方式」となります。
これまでのデジタルビデオ「DV方式」とハイビジョンデジタルビデオ「HVD方式」ではなにが違うか
答えは記録解像度の高さです
- DV方式の画素数:720×480画素(ピクセル)に対して
- HDV方式では、1440×1080画素(ピクセル)にもなります。
●デジタル映像は、「点(ピクセル)」の集まりで構成されているので
一定の大きさの画面の中に、映像を構成する「点」が多いほど、細密で
綺麗な映像=解像度の高い映像になるわけです。
ハイビジョン画質で撮影されたムービー(HDV)と、スタンダード画質で撮影されたムービー(DV)の差は、10年前のアナログビデオとデジタルビデオを見比べた時に感じた差に相当するものがありました。
このビデオカメラで撮影したのが、
シリーズ1『ツーリングムービー制作の楽しみ』のsample movie 2映像です。
Sample movie 1、3と、2の映像を見比べてみて下さい。
ハイビジョン映像のことを「HD」と表記しますが
「HighVision」だったら「HV」じゃないのかな?
と思って調べてみたら
「ハイビジョン」という言葉は日本特有の表現で、世界基準では
「High-Definition(高細密・高鮮明)」と表現するようです。
よって「HDV」は「High-Definition Video」の頭文字を並べたネーミングということです
- ちなみに「DV」は「Digital Video」の頭文字だったと思います。
(4)SONYデジタルハイビジョン・ビデオカメラ まめカムHD HXR-MC1
- メインのビデオカメラが、ハイビジョンカメラとなったので
「飛び道具的ムービーカメラ」もハイビジョンにしたくなって
しまいました。(笑)
- その理由は、言うまでもなく映像の鮮明度の差にあるのですが
ハイビジョン映像の16:9の比率の画面に対しスタンダード映像の
4:3の比率の画面を混成できないからでもありました。
- そんな折り、廃盤になっていた「まめカム CCD-MC100」の
後継機として発売されたのが、ハイビジョンビデオカメラ
「まめカムHD」でした。
ネーミングの通りカメラと本体が別体式の旧モデルのコンセプトは
そのままに、フルハイビジョン映像が撮れることと、本体に
「レコーダー機能」が付いたことによって、別のビデオカメラに
接続する必要がなくなったのです。
- この商品は、2009年に発売された「世界最小・最軽量」の家庭用ビデオカメラ
「HDR-TG5V」をベースに開発されたのですが「業務用ビデオカメラ」として発売されました。
- これはおそらく、このカメラの旧モデルがバラエティ番組でのニーズが高かったので、
テレビ制作会社から復活のラブコールがあったんだと思います。
【主な仕様】
- 1/5型 Exmor CMOSセンサー
- 総画素数236万画素(有効画素数は動画時143万画素)
- カメラヘッドサイズ:37×42.5×86.5mm
- 本体サイズ:115×78×38m
- 2.7型液晶モニター
- カールツアイスレンズ:
- 光学10倍ズーム(動画撮影時デジタル120倍)35mmカメラ換算で43~507mm
- 連続記録時間:NP-FH100(最も大きなバッテリー)使用時、約3時間
- 重量:約500g
記録メディアは「メモリースティックPRO-HG Duo」です
ついに「テープ」以外の記録メディアのビデオカメラを手に入れました
記録方式は「AVCHD」という規格です
- メモリースティックは、ソニー独自の記録メディアですが、
デジカメを中心に現在広く普及しているSDカードと同じく
「データファイル」として動画を記録するメディアです。
- このAVCHDは特殊なデータの圧縮方式によって
ファイルサイズを小さく(HDVの約1/4)して記録
することができるので、写真の
16GBのメディアに最高画質で2時間近くの
録画が可能です。
そして同じハイビジョン形式のHDV方式とAVCHD方式の
一番大きな違いは解像度の高さです。
HDV形式は最高画質が1440×1080画素(ピクセル)の「ハイビジョン画質」
までですが
AVCHD形式では1920×1080画素(ピクセル)の「フルハイビジョン画質」
で録画することができます。
また、HVD形式は、テープへの記録に限られるのに対して、AVCHD形式はメモリースティックやSDカード意外にも、ハードディスクやDVDといった複数のメディアに記録する
ことが出来ます。
(5)Canon EOS Kiss X4
- 最後にご紹介するのは、デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X4」です。
●「あれっ?ここで何故、ビデオカメラではなくて、スティルカメラ?」と
思われる方もいらっしゃるかと思いますが、今、プロの映像業界で、
この「写真」を撮るためのスティルカメラ・Canon EOSシリーズに搭載されている
ムービー機能(EOSムービー)を使って、映画やプロモーションビデオなどの
「映像」を撮ることが注目されています。
その理由は、今まで映画を撮るために使用されていたフィルムカメラで撮ったかのような、いわゆる「映画みたいな映像」が、簡単に撮れることにつきます。
- 今まで数百万円かけて揃えなければならなかったカメラ機材が
数十万(もしくは数万円)の機材で代替えできてしまうという
ちょっとした「革命」的な出来事でして、その映像クオリティは
放送局で使われている業務用のビデオカメラをも遥かに
凌ぐレベルと言われています。
- なので、このカメラについては、今までご紹介してきた
「家庭用ビデオカメラ」とは、ちょっと別のシリーズでご紹介したいと思います。
- ちなみに、EOSムービーで撮影した作品を、「コアサポーター専用ページ・ヒゲ松のムービー映写室」に上げていただいています。
- この映写室には、現在3本の作品がありまして、
- 「Around the Cherry Blossoms」
- 「BMW R80キャンプツーリングムービー」
がEOSムービー、もうひとつの - 「桜の頃、海へ」という作品は
「SONY デジタルハイビジョン・ハンディカム HDR-HC3」
で撮影しています。
一度、映像を見比べていただければ、その世界感の違いをご理解いただけると思います。
(6)【参考】 Canon iVIS HF S21
●ここまで、初めて買ったビデオカメラから、一番最近手に入れた
デジタル一眼レフカメラまでをご紹介してきたわけですが、
現在店頭に並んでいるのは映像記録方式「AVCHD方式」のビデオカメラが大半を占めています。
そんな時代に、ヒゲ松はこのタイプのカメラをまだ持っていなんですね。
(先にご紹介した「まめカムHD」は、AVCHD方式なのですが、使い方が特殊なので例外としました。)
- このタイプのビデオカメラの中で今一番気になっているのが
Canon iVIS HF S21というカメラです。
このカメラは、家庭用のビデオカメラなのですが、開発時点から
映像のプロがサブカメラとして業務用に使うことを想定して
作られたと言われているように、現時点で最も綺麗な映像が
撮れる家庭用カメラのひとつという評価を受けています。
●このカメラで撮影された映像を見たことがありますが
はっきり言って滅茶苦茶キレイでした。一言で「キレイ」と
言っても、人それぞれの感じ方で大きく評価は違ってくる
でしょう。しかしこのカメラの映像は変にコントラストや
輝度を誇張せずに、とてもナチュラルな点が素晴らしいと
思いました。
●「映像を誇張せずにキレイ」という設定は、
プロの映像作家が自分の感覚で映像を仕上げたいという
ニーズにマッチしているんだと思います。
このカメラは映像を記録するCMOSセンサーと、
レンズやその他のパーツのバランスがとても良く
手ブレ補正機能や、暗いシーンでのノイズの少なさなど
今までの家庭用ビデオカメラとは一線を画す画質を
体験することができます。
あー、欲しいなー。このカメラ…
次回は、これらのビデオカメラで記録された映像の種類について、ご紹介したいと思います。
今回も読んでいただいて、ありがとうございました。
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